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■リトグラフ
 リトグラフは、18世紀にドイツで発明された版画形式で、水と油の反発作用を利用して絵の具を付着させるものです。
 石版や亜鉛板の上に脂肪性の強いクレヨンやインクで作りたい図柄を描き、版上に化学的処理を施すと、版上の図柄の部分にはインクがのり、その他の部分にはインクのらないようになります。それに紙を当ててプレス機で図柄を写し取るとリトグラフのできあがりです。
 他の版画形式の木版画や銅版と異なって凹凸をつくることなく版画制作ができるところから、平板形式の南画といわれています。
 現在の印刷技術の−つとして用いられているオフセット印刷は、この平板の原理を応用したものです。



■セリグラフ(シルクスクリーン)
 シルクスクリーン・プロセス・プリンティンクを略してシルクスクリーンとよびますが、得にアメリカではセリグラフと呼ばれることもあります。
 1960年代のアメリカで発達した技法で、原理は年賀状に使われるプリントごっこ
 と同じです。木枠や金属の枠に絹、ナイロンなどのスクリーンをは貼り、その織り目を通して、スクイージと呼ばれる平らなゴムベらを使って絵の具を版のしたに置いた紙に刷り込みます。一版で一色しか表現できないため、色の詣調を表現するには多数の版で何回も刷る必要があるので、非常に手間がかかります。
 特徴としては重厚な仕上がりにできること、複雑な色使いや大きいサイズでも製版が可能で曲面や立体印刷も可能です。ただ、湿気などに弱く、丸めたりすると絵の具が剥離することもあるので、輸送、保存には注意が必要です。


■オフセット印刷
 右図に示したようにオフセット印刷では版から直接印刷するわけではなく、一旦ブランケットと呼ばれる銅に画像を転写させ、そこから紙に印刷されます。
 版画などでは左右をひっくり返した逆像で版を作りますが、刷版上の画像は正像です。
理由は簡単で、ブランケットに転写されたときは逆優になりますが、それが紙に印刷される時点では正像に戻るからです。